EST Official Blog - 寺田　孝

今から50年程前、私が小学校5年の暮れのことでした。　妹が手術・入院する事となり

母が付きっきりになるので、私は親戚の家に預けられる事になりました。

後で考えると、些細なことだと思いますが何かの事でガマンできなくなった私は、ある夜

夕食の後その家を飛び出しました。　外は小雪がチラつき街にはクリスマスソングが

響いていました。　あてもなく徘徊し、何軒かの他の親戚の家の前まで行きましたが

玄関を入る勇気がありませんでした。　　歩き疲れ、泣き疲れて、とある農作業小屋の

入り口に座り、何時のまにか眠っていました。　１~2時間程も経ったでしょうか、寒さに

目を覚ました時、誰が掛けてくれたか私の頭からスッポリと作業用の半てんが掛けられて

いました。見上げると雪の上がった空は満天の星でした。　　その日から私は何があっても

逃げる事をしなくなりました。　その日から私は泣いたことがありません。

東日本大震災で被災した皆様、決して絶望しないでください。　必ず、人知れず誰かが

見守っていてくれます。